リズと青い鳥見た備忘録
山田尚子ファンはもちろん全シネフィル必見の作品です
ちなみにけいおんシリーズは一切見てないので流して読んでください。
これは鑑賞して気がついたものの殴り書き備忘録です。
まずこの映画は文学的要素が強い。
僕はユーフォシリーズに関しては素人だが、劇場公開された1期の総集編映画は鑑賞しました。
大胆な演出や脚本でエンターテインメント性に全振りした映画だったが、こちらは細かい描写やミニマムな脚本で動かす作品。
この映画の中で、校舎の外に主要人物がいるシーンは4回しか出てきません
1,冒頭のみぞれと希美が登校し音楽室へと向かうシーン。
2,先輩3人が久美子と麗奈が2人で第3楽章を校舎裏で演奏しているところを見つけるシーン。
3,希美が高台からグラウンドを見下ろすシーン。
4,みぞれと希美が下校するシーン。
1はもちろん、2羽の青い鳥がかごの中へ入っていくシーン。
2は久美子と麗奈は主人公たちと同じような関係にあるが、既に乗り越えて何でも言い合える2人になっている。夏紀が「強気なリズ、まるで行ってこいよって言っているみたいだ。」というセリフからもうなずける。ただしまだ校舎内であるため、これからのシリーズで二人はすれ違っていくのだろうかと感じました。(シリーズ未見並みの感想)。
3はリズから見た青い鳥たち。今まで青い鳥だと思っていたのぞみがリズだったとはっきり自覚したシーンでしょうね。
リズと青い鳥の声優に本田望結である必要性はあったかどうかは棚に上げるが、同一人物にしたのは大正解だと思う。
だってリズと青い鳥に例えられる彼女たちは表裏一体の存在であるから
最後は言わずもがな。予告でも使われているし。
ちなみに基本的にこの映画の中で飛ぶ鳥は、校舎の影に写るか、窓辺に映るかの2択である。が、ラスト付近で2羽の鳥が唯一、雲一つない青空をバックに飛んでいくシーンが登場する。
山田尚子監督の作品のラスト付近には何かが飛んでいく描写がだいたいある。
たまこラブストーリーでは、主人公たち3人を表した3つのタンポポの綿毛が宙を舞う.。日常を大切にしていた登場人物たちが別々の道を歩き始めようとする名シーン。
聲の形では、結弦が飛んでいる鳥を撮るシーンがある。今まで生き物の死体をとっていた結弦が、様々な出来事をきっかけに考えを変えたシーン描写として象徴的でした。
とにかく山田尚子ファンのぼくは大好きな映画になりました。
最後に、大変失礼かもしれないが、僕はこの映画を見終わった時に思ったのは、LGBTを描いた「キャロル」のことでした。見た人なら何となく分かってくれると思う。
今度久しぶりに見てみようかな思いました